2. 音を出してみよう(初めての調整記):格安チェロ(三万円)購入記 ハルシュタット HC700【ぜんぜん音がならない?!】

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格安チェロ(三万円)購入記

どうしてもチェロが弾きたくなってネットオークションで超激安チェロを買いました。

音を出してみよう(初めての調整記)

開封から3時間。ヒント無しの知恵の輪の如く組み立て説明書もなしに悪戦苦闘を強いられながらもようやく姿を現した格安3万円チェロ

しかし、こんなものチェロ入門者に売ってもいいのか?!

と悪態をついても始まりません。とにかく勘を頼りに組み上げてほっと一息ついたところで、購入記第二章『音出し』です。はたして相場の1/10という超破格弦楽器はどんな音がなるのでしょうか・・・・

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まずはチューニング

第二章、まずはチューニングをしないと始まりません。チェロ欲しさに駆られて楽器が到着する前に近所の楽器屋さんで購入した教則本“超入門”DVDを参考に、電子チューナーとピアノの音に頼りつつ音合わせ開始です。

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一番低いC線から

糸巻き

はじめに一番低いC線から。

組み立て時に起こった糸巻きゼンマイ事件を繰り返さないように気を配りつつ、弦を指ではじいて音を聴きながらゆっくりと巻き上げていきます。

といってもギターなどと違って木の穴に丸い棒を差し込んだだけの糸巻きですから回すと「キュキュッ、クックッ」とかいってかなりおっかないです。でもテールピースに設置したアジャスターはネジを回すと微妙なピッチ調整ができる器具でして、先ずおおまかに糸巻きで音を合わせて調整はアジャスターで行えばそれほど難しい作業ではありませんでした。

他の弦が狂っている?!

アジャスター

続いて次に低いG線。同じ要領で“ソ”の音に合わせます。次いでD線を“レ”、最後にA線を“ラ”に合わせて・・・・よし!完成と思いきや、再び最初に合わせたはずのC線をはじいてみると驚くほど狂ってるC線どころか他の弦も全部狂ってる。

もしかして… 弦の張力で楽器が反ったのか?

まあいい。気を取り直して再調整。今度は4本の弦を徐々に巻きながら合わせていき、なんとなく全体でいい具合にするまでに至りました。

駒が反ってる?!!

さてさて楽器の様子はどうかな?と全身を見回してみると・・・?!

なんと、楽器じゃなくて駒が反ってる!というか傾いてる。弦を巻き上げる課程で一方的に上へ上へと引っ張られて持ち上がってしまったらしい。オマケに駒の位置が微妙に楽器の右側に寄ってる。これは問題。

やむを得ず再度弦を緩め、なんとなく持ち上げられる角度を見込んで駒を若干下向きにして締め直し。

ようやく見た目も音もそれらしい感じになってきました

いよいよ弓の出番

ようやく見た目も音もそれらしい感じになってきました

よし。いよいよ弓の出番です。
かるく弓に松脂を擦りつけて、いざ!勝負!

・・・・・・あらら、なんだこれ?ぜんぜん音がならないじゃん!!

弦にしっかり弓を押しつけて、擦っても擦ってもスルスルとなんの抵抗もなく滑るだけ。恐るべき無力感

ぜんぜん音がならない

おかしいなぁ、松脂が足りないのかな?

改めて松脂を弓に擦りつけてもう一度・・・う~ん、ぜんぜんダメ。なんでだろう?なにか忘れてるのかな?それとも組み立て時になにか失敗してるのかな?原因はなんだ?

困ったときのネット頼み。こういうことはネット検索して調べるのが一番。なになに?

「新しい弓にはなかなか松脂が馴染まない」
「15分くらい擦れば・・」

えっ?そんなに擦りつけなきゃいけないの?

こうなったら音が鳴るまで擦り続けるしかないらしいので、ひたすらにスリスリ擦ってみることにしました。

しかし、最初に擦ったときも思ったんですが手応えというか弓に松脂が付いてるという実感が全くありません。オマケに松脂の両サイドにある木枠が出っ張ってるわ尖ってるわでものすごく邪魔。うっかりすると毛がひっかかって切れそう。慎重に、まんべんなく毛を切らないように擦り続けました。

松脂を擦りづつけるが…

5分ほど経ったか、とりあえず試しに弦に押し当てて引いてみました。あ、確かにさっきより引っかかる感じするかも。まだスカスカだけど一番細いA線がヒュ~とかいってます。

10分経過。さっきとあまり変わらず

15分経過。やっぱりあまり変わらず

あー嫌んなってきた

こうなったら力ずくで擦りつけてやる。こんな弓壊れたってまた買えばいいや。完全に投げやりです。弓を机に固定して松脂の角をぐいぐい押し当ててゴシゴシやってみました。するとなんとなく摩擦感が出てきたじゃありませんか!

今度は松脂のほうを固定して角に弓をあてて引いてみました。数回繰り返すうちに松脂の角がみるみる削れているのが見て取れます。

これはいいかも

試しにチェロに弓を当ててみました。するとビロ~と弦が音をたてて振動しはじめました。一番太いC線はヒョロヒョロとして妙な音しかしませんが、他のG線、D線、A線はバッチリです。

俄然、やる気が出てきました。夢中で松脂を擦ること30分。C線も他の弦よりも軽く圧をかけるように弓を引くことで音が鳴るようになり、ついに格安チェロが楽器らしくなってきました。

今日はここまで

仕事から帰ってきて、チェロを開封→組み立て→チューニング→松脂塗りという作業を行い、ここまでやって今日のところはダウンです。もう深夜なので音なんか出してたら近所迷惑にもなります。

でも試して出した音は、素人耳には確かにチェロの音でした。これで今日から自分もチェロ・オーナーの仲間入りです。3万円ではじめる夢のチェロ生活。プライスレス・・。

しかし、ここまで苦労するとは思わなかった…

しかしまぁ繰り返しになりますが、この商品はかなり難易度高いと思いました。正直いってここまで苦労するとは思ってもみませんでしたね。このチェロを買った人たちってみんなこんな経験をするのでしょうか。厳しい現実ですよ。きっと「3万円のチェロなんて買うんじゃなかったー!」と思うんでしょうね。

今度、勇気を出して弦楽器専門店へ行って「3万円のチェロをオークションで買ったんですけど、調整してもらったらいくらかかりますか?」と訊いてみようと思います。楽器より高い可能性も・・・十分ありますね。

3. チェロのある生活:格安チェロ(三万円)購入記 ハルシュタット HC700【チェロ購入から一週間】
このシリーズの記事一覧はこちら↓ チェロのある生活 チェロ購入から一週間になろうとしていますが、まだまだ熱は冷めません(笑)。 今週は毎日休まずに、ちゃんと練習しましたよ~。 仕事から帰ってチェロを弾...
このコンテンツは2007年4月1日に執筆されたものを一部内容を変更・修正して投稿しています。
この記事の内容はすべて筆者の経験を元にした個人的な意見・見解です。