今回は『小型カメラ aobo スパイカメラ』のレビュー動画です。またまた面白そうなビデオカメラを見つけてAmazonでポチッとしてしまいました。
これがあれば重たいビデオカメラを持ち歩かなくても済むかも!
はじめに申し上げておきますが、今回の買い物は使い道を見誤ってしまった感があります。結果的に返品の手続きを取る羽目となり各方面にご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳ありません。
短い付き合いとなってしまいましたが、反省を込めてまとめてみたいと思います。
とにかく小さい!スパイカメラ
「スパイカメラ」…。なんとも怪しいタイトルの製品ですが、とにかく小さいビデオカメラです。セロテープと同じくらいの大きさ(笑)
直径は約4.5cm、丸い形をしたビデオカメラです。これがビデオカメラですよ!信じられないですよね!こんなちいさな塊だけで動画が撮影できるなんて驚きです。正直こんなジャンルの製品があるなんてしりませんでした。
本来の用途は、防犯カメラです
このカメラ、もともとの用途は「隠しカメラ」です。盗撮?いえいえ、防犯カメラ。
例えば『駐車場に設置して車にイタズラする犯人を撮影する』とか、家で留守番している子供やペットの様子を伺うためのカメラなんですね。
このカメラにはwifi機能があります。カメラ本体がwifiの親機になってスマホと繋がって色々できる性能があります。そして、それだけでなく、家のインターネットに繋がっているwifiにログインさせて、外部からネットを経由して映像を送信する機能があるんですね。
この「本来の用途」を見誤っていました。勘違いってやつですね
想像してたのと、まったく違った?!
私がイメージしていたのはこんな感じ。
例えばチェロのレッスンで「録画したいな〜」という時、iPhoneでムービーを撮影する事があります(まあほとんどは諦めちゃうんですが…)。本当は三脚でビデオカメラをセットして丸ごと録画しておきたい(そうしてる生徒さんもいます)ところですが、三脚に載せたビデオカメラって独特の威圧感がありますよね。そこでボタンひとつでポチッと録画できるようなグッズがあればと思っていたんですね。
要するに動画付きのボイスレコーダーのようなイメージで使えたらいいなあ…と考えていたわけですね。
ZOOM Q2HD(生産終了)こんなのが理想形かな。現行製品はコチラ↓
スパイカメラ
さてさてスパイカメラです。
例えばAmazonで「スパイカメラ」と検索すると様々なカメラがヒットします。ペン型、モバイルバッテリー型、サイコロ型etc…メガネ型なんていうのもあります。それこそ007(ゼロゼロセブン)のひみつ道具がそのまま商品になったようなラインナップです。
どうやって使うのかな?面白いな。
これらの商品に(ほぼ)共通している特徴としては…
- モニター画面がない(状態は1〜2個のLEDで確認)
- 赤外線(暗視)機能や動体検知機能がある
- 長時間録画や広角レンズなどをアピールしてる
などが挙げられます。さらにこのaoboのように「wifiでスマートフォンに接続」と「1080P(フルHD)」を掲げた製品も多いようです。
びっくり1:録画ボタンが無い!?
とにかく小さいスパイカメラ、液晶モニターはありません。カメラの状況を確認する術は2つのLEDの点灯のみです。
とりあえず『ON/OFF』ボタンを押します。するとLEDが両方点灯。どうやら電源は入りました。
さて『録画ボタン』はどこかな?
【ハンディカムの録画ボタン】
というわけで、ビデオカメラには当たり前についている『録画ボタン』。一度押すと録画が始まって、もう一度押すと録画が止まる『録画ボタン』がありません。
(そりゃあ起動=録画なんだから必要ないんだけど、そんなの教えてくれなきゃわかりませんよ)
そのうえ『ON/OFF』っていうボタン、これがかなり録画ボタンっぽいから「きっとそうなんだろうな」って勘違いして買っちゃったので、こういうことだと理解したときはびっくりしました。
びっくり2:画像がピンク色?!
試し撮りのキャプチャ画像です。念の為に言っておきますがスケベな照明を当てているわけではありません。同じシーンを別のカメラで撮影すると…
これはひどいですよね。はじめてみたときは正直「不良品か?」と思いました。しかしいろいろ試していると状況が解ってきました。
このピンク色の原因は『白熱灯』つまり部屋の電球のようです。この部屋の照明はすべて白熱灯なんです。このカメラでも自然光や蛍光灯のもとで撮影すると、とりあえず普通のカラー動画っぽく写ります。
これは別の部屋でたまたま撮影した画像。全体はピンクにはなってませんが、白熱灯のところだけピンクに光っていますね。
びっくり3:音がずれてまーす!!
動画の2分18秒あたりをご覧ください。
両手を挙げて妙な格好をしていますが「肩、上、肩、横…」と言いながら手を動かしているんです。しかし音声と画像がまったく合っていません。このシーンでは音声が約5秒弱、遅れて録音されています。写真の“上”ポーズが2:19になっていますが、音声で「上!」と聞こえるのは2:24です。
ビデオカメラとして「音がずれる」っていかがなものか!って思いませんか?
しかもこのズレ具合が不確定でして、録画するたびに前にズレたり後ろにズレたり、まちまちなんですね。解像度が『低』『高』『HD』どのモードでもズレる様子は同じです。そして撮影時間が長くなればなるほど、どんどんズレていきます。
100歩ゆずって音がズレるのは仕方ない(ダメだけどね)としても、不安定すぎです。映像の素材にしようなんて到底ムリな代物です。
YouTubeネタの撮影にも活躍するかと思って購入したのに、とても残念です。
びっくり4:iPhone(本体)で録画できる!
この『びっくり』は良い意味のびっくりです(笑)
このaoboスパイカメラはwifi機能でスマートフォンと接続できます。
ざっくり解説すると、スパイカメラがwifiの親機になっているので、そこにスマホでログインして、指定のアプリを使うことで無線でカメラに接続できます。iPhoneの場合は『P2PLiveCam』というアプリを使って接続できました。でもまあ、ここまではよくあるwifi接続機能です。
びっくりしたポイントは、このアプリには『録画ボタン』があるんです!!
びっくり1の項でお伝えした通り「このカメラには録画ボタンが無い」にも関わらず、アプリには『録画ボタン』がちゃんとあります(笑)。
で、その『録画ボタン』をタップすると録画が始まります。
どんな録画が始まるかというと『P2PLiveCam』アプリのデータとして、iPhoneの本体に動画を保存するという、びっくりな録画が始まりました。
直接カメラロールに録画される訳ではありませんが、撮影後にその動画データを「カメラロールに保存」することもできます。
つまり、このaoboスパイカメラは起動すると…
- 動画をSDカードに録画する
- wifi接続できる状態になる
- アプリで録画できる動画データを送信する
この3つの仕事を常時おこなっていることになりますね。
正直、私は失望しました
ここまで来ると「もうなんでも来い」状態で、びっくりすることはありませんが、がっかりすることはまだまだたくさんありました。
もうどうでもいいけど、がっかりです。
SDカードの動画データがMacでは再生できません
スパイカメラの多くがマイクロSDにAVIフォーマットで動画を保存する仕様になっています。
【iMovieで読み込もうとすると…】
しかしこのファイル、Macの動画編集ソフトでは読み込むことができませんでした。AVIはもともとWindows用の動画フォーマットらしいのですが、例えばaoboスパイカメラで撮影したAVIの動画をMac標準の動画編集アプリ“iMovie”で読み込もうとすると、上のキャプチャ画面のように『読み込み可能なファイルがありません』とエラーになってしまいました。
救いとしてはwifi経由でiPhone本体に動画を録画することができ、iPhoneのアプリで保存される時にはMP4フォーマットで保存されるので、こちらはiMovieで扱うことができました。
でも音声はズレズレなことに違いはありませんが。
1080Pでは録画できない
こちらの写真は製品に同封されていた取扱説明書です。不思議なことに製品の写真や図がひとつもありません。
この取説の「商品仕様」の部分です。
- 表示解像度:1920x1080Pとあります。ですが実際に撮影した動画は1280×720(26fps)でした。
- ビデオフォーマット:ASPとあります。ですが実際はAVIです。ちなみにASPは.wmvなどの事らしいです。
- 撮影角度:90°とありますが、これって広角レンズの画角の事ですよね?。Amazonの製品タイトルには『150°広角超小型カメラ』って書いてあります。
Macアプリ「Free MP4 Converter」で3つの解像度のaviファイルのプロパティを開いてみました。
- 解像度
- HD=1280*720(26fps)
- 高=640*480(22fps)
- 低=320*240(15fps)
これはもはや詐欺…、それとも間違えて別の製品が送られてきた?
何れにせよ、看過できない状況ですよね
音質がひどい
動画の6分36秒あたりをご覧ください。
この音色はいったいなんでしょう(爆笑)!!
蓄音機レベルですよね。チェロのレベルも低いけど音質のレベルもかなりひどいです。
日付の設定がすぐに狂う
それから、間違えてリセットボタンを押してしまったり、電源を切ったり、気がつくと日付の設定が狂っていて、1970-01-01 08 00 .avi(作成日:1980(?)年1月1日)になります。
これもさー、タイムスタンプが1980なのに、なんでファイル名が『1970』なのかっつー話ですよね。
というわけで、返品します。
返品の理由のネタは尽きませんが(爆笑)、一番シンプルなのは…
『サイト上の説明と違った』
- 1080Pでの撮影ができない製品が届きました。同封の取扱説明書に書かれた内容とも合致していません。
やはりこれが一番問題だわな。
しかしまあ、なんと言いますか、ちょっとさみしい気持ちではあります。もしこのカメラが普通にビデオ撮影の機能を満たして、うちの環境で十分に使える製品だったとしたら、いろいろ楽しい動画が撮影できただろうに。。。
見た目のインパクト、wifi接続、ネット接続や暗視なんかも面白い。
次回は今回の経験を活かして、もうすこし慎重に選ぶことにします。
Amazonの返品手続きが完了
返品の手続きが完了し、返金処理済みになりました。