2020年8月下旬、グーグルプレイからメールが届きました。
『[重要] 2020 年 11 月 2 日までに Android の targetSdkVersion の更新をお願いします』
[重要] 2020 年 11 月 2 日までに Android の targetSdkVersion の更新をお願いします
Google Play からは、つい先日も『8月1日までに64bitに対応しなさい』っていうメールが来たばかり。でもそんなこと言われても Animate CC を使ってアプリを作っている私にとっては、AIR SDKの対応を待つばかりというのが実態だったりします。
Animate CC を使っている以上、AIR SDK が対応してくれないと、どうしようもありません
Animate CC でアプリを作る場合、AndroidやiOSの新しい仕様に対応するには、それに対応した AIR SDK にアップデートする必要がありました。他に方法がありません。。
なんと…アドビの「AIR SDK」のアップデートは終了?!
Adobe AIR SDK 最新版は従来、アドビの「DOWNLOAD ADOBE AIR SDK」のサイトでダウンロードできましたが…
アドピのサイトでダウンロードできるのは「version 32.0」おそらく2018年で更新が止まっています。正直これは参りました。
Google Play も iOS の AppStore も、結構頻繁に仕様変更を行います。Adobe Animate CC を使ってアプリを構築している身としては、AIR SDK の更新が止まるという事は、新しいアプリ作成はもちろん、既に公開しているアプリのアップデートもままならない…つまり、アプリの公開を中断せざるを得ない状況に陥ります。
これは困ったぞ。どうすりゃいいのさ
AIR SDK 33 以降は『ハーマンインターナショナル』に移管されたようです
いつまで待っても更新されないアドビの「AIR SDK」ページ。いよいよヤバイ状況になり改めて「Adobe AIR SDK」でググって調べてみると…『HARMAN』というサイトを発見。しかもバージョンナンバーは『33』!
↑こちらは2020/10月現在の「airsdk.harman.com/download」の画面です。「Download Adobe 33.1』と書いてあります。
ウィキペディア『Adobe AIR』によると「33.0以降 アドビからハーマンインターナショナルに移管』とありました。2019年からの様ですね。
HARMAN からリリースされた「AIR SDK 33.1.1.217」から Android 10 (API レベル29) に対応したらしい
ハーマンの「ADOBE AIR SDK」のリリースノートをチェックしてみました。Android API 29に対応したバージョンがありました!
『HARMAN』のロゴに「A SAMSUNG COMPANY」とありますね。今後いつまでバージョンアップに対応してもらえるかは『神のみぞ知る』といったところでしょうか。。。
最新版『ADOBE AIR SDK』を使って、Animate CC アプリを Android 10 に対応させる方法【画面キャプチャ付き】
私は現在、Adobe Animate CC で作った3つのゲームアプリをGooglePlayにて公開しています。
今回はこれらのアプリを Android 10 対応させる方法を解説します。
最新の AIR SDK をダウンロードする
上でも触れた通り、2020年現在 ADOBE AIR SDK の最新版は『HARMAN』からダウンロードできます。
↑こちらをクリックして『DOWNLOAD』を選択してください。最新版の AIR SDK がダウンロードできます。
MacOSの場合『AIRSDK_MacOS.zip』がダウンロードされます。解凍すると『AIRSDK_MacOSフォルダ』が出来ます。
執筆時の最新版は『AIR 33.1.1.259』だったのでフォルダ名を『AIRSDK33.1.1.259』などに変えておくと判り易いです。ちなみにこのバージョンはAndroid API 29 に対応しています。
ダウンロードしたSDKフォルダをアプリケーションフォルダに入れる
解凍した『AIRSDK』のフォルダを「アプリケーション/Adobe Animate 2020/」のフォルダに移します。
機能的には、パソコン内のどこに置いても使える様ですが、パスが変わると使えなくなるのでココに置くのがいいんじゃないかと思います。
Animate CC を開いて、新しい「AIR SDK」を追加する
AIR SDK の準備ができたら、Animate CC を起動します。
「ヘルプ」メニューから「Adobe AIR SDK を管理…」を選びます。
『Adobe AIR SDK を管理』ウィンドウが開きます。ウィンドウの右上にある『+』ボタンを押します。
先に準備した「アプリケーション/Adobe Animate 2020/」フォルダを開き『AIRSDK33.1.1.259』フォルダを選んで『選択』ボタンを押します。
これで新しい AIR SDK が追加されました。この時に必ず『Adobe AIR SDK を管理』ウィンドウで「バージョン」をチェックして追加したSDKが正しいか確認しましょう。
ちゃんと追加されたのを確認したら『OK』を押します。
アップデートする.flaファイルのバックアップをしましょう。
いよいよ fla ファイルを、Android 10 に対応させます。
その前に、作成済みの fla ファイルをアップデートする際は、必ずデータのバックアップを取りましょう!
flaファイルからパブリッシュした時に作成された「-app.xml」「.swf」「.apk」や、アイコンデータなどのファイルも合わせて、フォルダごと『複製』を作成することをお勧めします。
Google Play や AppStore でリリースするのであれば、apk ファイルなどの出力名も変えないほうが安全です。なのでフォルダ名を使ってバックアップのコントロールしましょう。
.flaファイルを新しい AIR SDK でアップデートする
では、やっと既存の .fla ファイルに新しい AIR SDK 33.1.1.259 をセットします。重ねて確認しますがバックアップは必ずしておきましょう!
アップデートする.flaファイルを開き『パブリッシュ設定』ウィンドウの『その他の設定』を選びます。
『パブリッシュ設定』のウィンドウが開くので、ここで『ターゲット』項目のプルダウンメニューを押します。
おそらく、プルダウンメニューの一番下に『AIR 33.1.1.259 for Android』という項目が現れますので、こちらを選択。
「ターゲット」が『AIR 33.1.1.259 for Android』になっているのを確認し、右にある“スパナ”マークのボタンを押して…
『AIR for Android 設定』ウィンドウが開いたら
- 『バージョン』の値を変える
- 『プロセッサー』が「ARMv8 (64ビット)になっているのを確認
さらに『デプロイ』タブを選び『証明書』で、前回 Google Play にリリースした時と同じ .p12 証明書を選びます。
これで『パブリッシュ』を行えば、Android 10 に対応した apkファイルをパブリッシュすることができます。
Google Play Concole でアプリをアップデートする
いよいよ完成したAPKファイルを Google Play にアップロードします。
Googleコンソールを開き『すべてのアプリ』から、アップデートするアプリを選んでください。
ストアのアプリを直接アップデートする場合は『製品版』を選択して『リリース』タブを選びます。
ここで右上にある『新しいリリースを作成』を選択します。
新しいリリースの作成画面の『App Bundle と APK』の枠に、完成した APK ファイルをドロップします。
アップロードが完了すると、下記のような情報が表示されます。ここで『対象SDK』が『29』になっていることを確認します。
あとはリリースノートを適宜記入して、審査を待ちましょう
基本的な作業はこれでほぼ完了です。あとはサイトの指示に従ってリリースノートを書き込み、必要があれば各種項目を変更しましよう。
アプリの公開は、ストアの意向に沿った変更を余儀なくされます。今後も『AIR SDK』が順調にアップデートされていくことを願います (あっ!Animate CC もね)
以上で、今回の記事は終わりです。
とりあえず本日のミッションは、AIR SDK のアップデートでことなきを得ましたが、今後もストアの意向でいろいろあるのかなぁ…と思います。
もうしばらくAnimate CC が続いてくれるか、もっと簡単にアプリ開発できる環境ができるか、していただきたいですね〜。
プログラムの勉強するのが一番近道だったりして…