最近なぜか “本格的なプラスチック製の楽器” がいろいろ製品化されています。
例えば トロンボーン。何年か前に pBorn(ピーボーン)という製品が販売されて、結構話題になっていました。
私も試奏させてもらった事があります。なかなか良い楽器でした。趣味で楽しむのには pBorn で十分なくらいに思いました。
そして今回は『pBuzz』に挑戦です。
YouTube動画アップしました
これが『pBuzz』です(笑)
ブブセラって覚えてますか?2010年のサッカーW杯でみんな吹いてたラッパがありましたよね?みた感じは全く同じものに見えます。
しかしこの pBuzz はイギリスの本格的な楽器メーカーが作った知育楽器なんだそうです。
いろいろ“ちゃんと”作られています
まず、調律。
このラッパは「C管」です(笑)
スライドを閉じた状態で吹くと C(ド)の音が出せます。
さらに、スライド部分にあるアルファベットの位置に管を伸ばす事で「ドシラソファ」と音が取れるようになっています。
次に、マウスピース。
マウスピースは「トロンボーン(細管)」のものが使えます。
シャンクの径が同じに作られています。
本体同様、プラスチック製のマウスピースが付属していますが、お手持ちのTbマウスピースを使うことも可能ということですね(笑)
しかもご丁寧に「抗菌コート」もされたマウスピースなんだそうです。
本体の耐久性も抜群
pBorn をはじめ、プラスチック製管楽器の優れた特徴のひとつは「金属製のようにぶつけても凹まない」ことがあると思います。
特にトロンボーンの場合、スライド部分をうっかりぶつけてしまうとスムーズにスライド出来なくなってしまい、高いお金を払って修理する羽目になります。
そんな華奢な楽器、幼児はおろか小学生にだって持たせられたいでしょ?
しかしプラ製金管楽器は、滅多な事では凹みません。ぶつけてしまったところでせいぜい傷がつく程度です。
しかも金属に比べてかなり軽い!
これらの特徴が pBuzz にも共通しています。
残念なのは音域の狭さ
pBuzz は、かなり面白そうな楽器だと直感的に感じました。
楽器の姿を見た時は「プラ版のスライドトランペットだ!」と思ったのですが、ちょっとその期待には沿わなかった部分があります。
pBuzz の音域ですが、なんと ド〜ファ の5音だけです。
おもちゃとはいえ楽器の音域が1オクターブに満たないとは 驚きです。
なので演奏できる曲も、かなり絞られてしまいます。
「C管」と言いましたが、pBuzz はスライドを伸ばす=管を長くすることで ド から下に音が下がっていきます。
なので「チューリップ」を吹こうとしても …
♪ドレミ ドレミ ソミレド レミレ〜
と吹くことはできません。
楽器として観察&拡張の可能性
pBuzz はスライドを縮めた時の長さが50cm強。通常のトランペットと同じくらいですが、トランペットは管が1回転しているので、管長はざっとトランペットの半分程度の長さしかありません。
まあ言ってみればピッコロトランペットと同じような管長なんですね。
そんな管に中低音用のトロンボーンのマウスピースが付いている。
つまり pBuzz で鳴っている音は、ピッコロトランペットでペダルトーンを吹いている状態なんですね。
通常、トランペットの奏法としては、基音である第1倍音=ペダルトーンは演奏には使いませんよね。
第2倍音にあたる下のドから始まって第3倍音のソ、高いド、ミ、ソ、と来て俗に言うハイB♭あたりまでの音域で演奏しますね。
試しに pBuzz にトランペットのマウスピースを付けて吹いてみると、通常より1オクターブ高いド(C)の音が出せるようになります。
さらに頑張るとソ(G)がなんとか出せます。
これにスライドを組み合わせる事で、Gメジャーの音階で1オクターブの音域を演奏する事ができました。(トランペット経験者であれば、もう少し高い音域までカバーできるかもしれません)
今回はこのくらいにしておきます
金管楽器らしい抜けた音を出そうと思うと、スライドのポジションをしっかりとってベルを響かせるように吹かなければ良い音は出せません。
しかし管の短さ、マウスピースの大きさからか音程が非常に不安定です。
でも逆にいえば、マウスピースだけでバズィングするようなイメージで唇のコントロールすることでかなりの幅でピッチの操作が出来てしまいます。半音〜全音くらいいけます。
そこで「歌うように」かなり自由にメロディらしきものをヴィヴィ〜と吹ききってしまえば、あらゆる曲を演奏することが…できます(笑)
まとめ
pBuzz はなんだかんだ言って「楽しい」です!しかも安い!
執筆当時(2019/4月)、Amazonで4千円ほどで購入できました。
ちなみにブブゼラは、Amazonプライムで¥4,800。pBuzzのほうが安かった。
そんなわけで、腕に自信がある方、ちいさなお子さんに金管楽器をやらせてみたい方は試してみても面白いと思いますよ