7. セカンドステップ:大人のための絶対音感への道【スランプ:絶対音感ネイティブの感覚とは】

絶対音感への道

セカンドステップ

スランプ

周りで音楽が流れている場所での“壁”にぶつかり、なんとなく“大人のための絶対音感”は、勢いを失いはじめていました。最初の頃は“ド”の音を出して正解することが、純粋に嬉しかったはずのに、練習すればするほど、周りの状況によってあっさり揺らいでしまう自分の“音感”の弱さを痛感し、打ちひしがれる日々が続きました。

しかし、同じような失敗を繰り返すうちに、ちょっとした発見をしました。その発見とは、キーボードなどを使って“ド”の音をカンニングした後であれば、たとえ周りで少々の音楽が流れていても、“スーパーマリオ(地下)”や“例の曲”などの“my絶対音感養成楽曲”を、頭の中ではっきりとイメージすることができる!というものです。

はじめは「そりゃあそうだ。カンニングすれば誰だってできるさ。当たり前だ。」と取り立てて気にもしませんでした。ところがこの先、この発見が重要な鍵を握ることになっていくのです!。

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絶対音感ネイティブ?!

外国語を習ってみると「多少自分から話すことはできるようのなったとしても、ネイティブの言っていることを聞き取るのは難しい」と聞きます。僕は、外国語はひとつも話せないので、実際どうなのか?は定かではありません。が、ヒアリングが難しいということはよーく知ってます。
ある日、先生にこんなことを質問してみました。

僕

先生は、どうやって“ド”の音を“ド”だと判断するのですか?

僕が“ド”を思い浮かべる時は、まず “マリオ”や“例の曲”などの“my絶対音感養成楽曲”をイメージし、さらにそれをベースにハ長調(ピアノの白鍵の調)の音階を探り、それぞれを“記憶”と照らし合わせて“音高”を見極めていきます。

まぁ、とりあえず“面倒臭さ”は置いとくとしても、さすがにこの方法では、いつか“限界”が来るだろうとは、薄々感じ始めていました。

先生
先生

うまく言えないけど、「あ」と言われて“あ”と判るのに近い感覚かなぁ?

僕

‥!!

あぁ恐るべし“絶対音感”!。耳に入ってくる“音”と、それに対する“感覚”が“直結”しているということなのでしょう。意識的なプロセスなんて一切不要。要するに“私はネイティブなのよ”ということか?!

この話を聞いて、正直自分でも驚くほどの衝撃を受けました。「そうだよなぁ、それこそが真の“絶対音感”なんだよなぁ」という敗北感にも似た衝撃。一発K.O.とでも言いましょうか。「あぁ、きっとどんなにがんばってみたところで、そんな様になれるとは思えないなぁ」

僕

やっぱり無謀な挑戦だったのかなぁ・・・

しかしこんな事で落ち込んでもいられません。とりあえず前向きにというわけで、自分も試しに“ヒアリング”をしてみました。ピアノを使って“音名当て”をやってみよう!というわけです。さてさてどんなもんでしょう?。これまでの成果もあってか“全問不正解”ということでもありません。いや、正解があるだけ大したもんです。しかし案の定、いやむしろ予想以上に“見当も付かない”状態に陥ることが判明してしまいました。そして一度見失ってしまうと、すっかりパニック状態。「もうやめて~」と耳を塞ぎたくなるのです。

あまりのレベルの違いに完璧に打ちのめされつつも、「ネイティブに一歩でも近付くためには、この先、どうすればいいだろう?」と、改めて “大人のための絶対音感”試行錯誤を始めることになりました。

“ド”の音を“ド”として思い浮かべる

「試しに“形”から入ってみよう」

念のため言っておきますが、ファッションとか髪型とか、先生を真似しようという事ではありません(笑)。音を思い浮かべるときのやり方を変えてみようという意味です。

これまでは“マリオ”から始まる“例のステップ”を踏んで“ド”を探っていたわけですが、自分もネイティブになったつもりで“ド”を思い浮かべてみよう。間違っててもいいから「ド~」と単音でイメージしてみよう。ということです。

“大人のための絶対音感”レッスンを始める以前なら、こんなことしようと思ったところで、どうせちゃんとできるわけないし、正しい“ド”の音高なんて全く意識していなかったのですから、挑戦してみようとも思わなかったに違いありません。でも、今は以前とは違います。まだおぼつかないとはいうものの、新たな“音感”を感じつつ、なんとなく絶対的な“ド”の存在を意識できています。ピアノで“ド”の音を叩いてみれば「確かにこれは“ド”だ」と思えるようになっています。だから“マリオ”からでも“例の曲”から探るでもなく、はじめから一発で“ド”を思い浮かべてみようというのです。

僕

‥‥(イメージ中)

僕

!!

できそうです!。曲の一部としてではなく“音”として“ド”を思い浮かべることができそうなんです!!。思い浮かべた音が、本当に“ド”なのかは正直言って自信はありませんが、明らかに「これが“ド”だ」と思える音がイメージできるのです。これは案外イケるかもしれません。

“ド出しプロセス”の変更

“なんちゃって ネイティブ作戦”は、思った以上に効果がありました。“旋律”ではなく“音”を思い浮かべようとすることで、周りの音楽に邪魔されにくいのです。そして“ド”を思い浮かべたあとに“養成楽曲”をイメージすると、ちょうど“ド”の音をカンニングしたあとに“マリオ”をイメージしたときと同じような感じで、ちゃんと思い浮かべた“ド”を基準にした旋律になっているのです。さらにそうやって“養成楽曲”をイメージすることで、頭の中だけでとりあえずの正解・不正解の判断ができ、その結果はじめの“ド”についての微調整ができました。

この発見から‥

  1. “ド”を思い浮かべる
  2. “ド”を素に“マリオ”を思い浮かべる
  3. さらに“例の曲”と“例の曲もどき”で確認する
  4. “ド”を微調整する
  5. 声に出す

というように“ド出しプロセス”の始め方を大きく変更することに決定しました。

このプロセスの変化によって、だんだん“ド”を声に出すまでの時間は短縮されてきました。そして先生の質問に答えるときの精度も、また少しずつ良くなり始めました。

このコンテンツは2002年〜2006年にかけて執筆されたものを一部内容を変更・修正して投稿しています。
この記事の内容はすべて筆者の経験を元にした個人的な意見・見解です。