一年を通して学校行事って目白押しですよね。運動会、学芸会、展覧会などなど…。ピアノやバレエなどの発表会もこの時期いろいろ開催されているようです。子供の映像記録はしっかり残さないと…今日のイベントは2度と撮るチャンスはないですからね。
私も今日はムスメの小学校の学芸会でビデオ撮影をしてきました。
全学年の学芸会を録画してきてね!
ぜ、全部ですか…わかりました
今どき小学校も「ビデオ席」とかいって撮影専用のエリアを準備してて、お父さん達は場所取りに苦労するんですよね(苦笑)。
三脚の使い方、間違ってるよ
今日の学芸会、体育館のビデオ席は大小さまざまなビデオカメラと三脚が立ち並びます。でもちょっとまって、よく見ると中にポツポツとちょっと気になるカメラが…。
三脚の棒が真横を向いています。これは…三脚の使い方を間違えてますよねぇ。わかりますか?詳しく説明しますね。
間違った使い方と正しい使い方
【間違った使い方】
この写真は間違った使い方を再現したものです。三脚のバー(パンハンドルというそうです)が左側にきています(今日の会場では右側の人もいました)。
【正しい使い方】
こちらが正しい使い方。パンハンドルは手前側に来るようにカメラをセットしています。
普通に使えてるんだし、どうでもいいじゃん
まあそう言わずに説明をきいてください
三脚パーツの解説
いろいろなタイプの三脚がありますが、上の図のようなものが一般的ではないでしょうかね。といってもこれ、実はビデオカメラ用の三脚ではありません。デジカメや一眼など静止画を撮影するカメラ用の三脚です。
パンハンドル(パン棒)
カメラの向きを変えるときに便利なハンドルです。このハンドル自体がネジになっていて、カメラ台の上下回転を固定するストッパーになっているタイプが多いです。
パンストッパー
カメラ台の横向きの回転を固定するネジです。カメラを横向きに回転して被写体を横向きに動かすことを『パン』といいます。このネジをゆるめて横回転が自由にできるようにしておくとステージの左から右に “パン” しながら役者さんを追うような映像が撮影できますね。
カメラ台
カメラを固定する台です。だいたい1/4インチのネジが付いていてカメラの下側のネジ穴に差し込めるようになっています。ここにレバーひとつでカメラが取り外せる「クイックシュー」が付いた三脚も多いです。ちなみにクイックシューを無くしてしまい三脚が使えなくなるケースは多いみたい(笑)。
図のタイプの三脚ではカメラ台ストッパーをゆるめるとカメラ台が90度、縦向きになります。これは写真を撮るときにカメラを横にして縦長の写真を撮るための機能です。この機能はビデオ用の三脚には付いていないことが多いです。
ビデオカメラはテレビで観る映像を撮影するので、縦長の映像を撮る機能は必要ありませんからね。
なぜ間違った使い方で使うのか
今回のテーマにしている三脚の間違い。今日だけに限らず運動会、発表会、展覧会などで、割と頻繁に見かけます。おそらく正しい使い方を知っていれば、あえて間違った使い方をすることもないと思うんだけど…。思い切って聞いてみた。
どうしてその使い方にしようと思ったの?
手前に棒があると邪魔だから
なるほど、そういう理由だったんですか。他に「こう使うものだと思っていた」とか「パパがこうやってたから(ママ友)」とか。これは勘違いみたいなものですな。
三脚を使って良い動画を撮ろう
まあ、せっかくですから正しい使い方がわかったところで三脚のポテンシャルを十分引き出して良い動画を撮影するコツをつかみましょう。
画面を上下に動かす
多くの三脚ではパンハンドルが上下回転のストッパーを兼ねています。映像を上下に動かすときは、パンハンドルをねじって上下回転ストッパーをゆるめてからパンハンドルを上下に動かします。
注意点は、カメラとハンドルの重さのバランスです。パンハンドルをゆるめたまま手を離すとカメラが重く下向きのなったり、ハンドルの重みで上を向いてしまいます。上下の位置合わせを行ったら必ずパンハンドルのネジは締めておきましょう。
- 上下位置を変えるときはハンドルのネジをゆるめて上下に動かす
- パンハンドルのネジは必ずしめてから手を離す
パンする
画面を横に動かす “パン” をするときは、パンストッパーをゆるめてパンハンドルを左右に動かしましょう。
- 撮影するときはパンストッパーを少しゆるめておく
- パンハンドルを左右に動かす
ビデオの撮影中は、パンハンドルでパンできる程度にストッパーを少しゆるめておくと良いと思います。適度にゆるめた状態なら上下回転の場合と違って横回転は手を離しても勝手に向きが変わることはないから。極端にゆるめすぎるとカメラがグラグラして映像が揺れてしまいますが、逆に締めつけすぎるとパンしようとしてハンドルを動かしたときに回転せずに三脚ごと倒れてしまうので、気をつけましょう。
間違った使い方をしていると…
【間違った使い方】
さて、それではここまでの説明をご覧になった上で、間違った使い方のままパンハンドルを上下に動かすと映像はどうなるか、お分かりになりますか?
この使い方で上下に動かせば、カメラが回転してしまい動画の被写体がこの図のようにねじれて動きます。船の上から水平線を写すとこんな風になります。船酔いしそうです。
それに「ちょっと上(下)を写したい」という時に、正しい使い方なら片手でパンハンドルをねじって上下に動かせばすぐに被写体を捉えられますが、この間違った使い方だとかなり難しいですよね。
動画を撮影するならビデオ用の三脚をオススメします
最近のビデオカメラはサイズも重量も以前に比べてかなり小さく軽くなりました。なので三脚も軽くて小さいもので十分使うことができます。
ですが、軽くても小さくても安くてもいいので、ビデオ用の三脚を使うことをぜひオススメします。
ビデオ撮影は “スムーズに動かす” ことが重要
静止画用のカメラ三脚は、カメラのアングルを決めてからシャッターを切るのが前提です。動きがカクカクしても素早く良いアングルが選べればいいですよね。
しかしビデオ三脚では、アングルを変えている間も動画が撮影されています。特にゆっくりパンする時などは微妙な動きを、できるだけスムーズに均一にしたいものです。
例えばこの “Velbon ビデオ用三脚 EX-447” は「オイルフリュード」という動きを滑らかにするしくみが採用されています。私も実際に使ったことがあってとても良かった。すぐに欲しくなりました(笑)。
こちらの “SLIK 三脚 GX 6400 VIDEO 4段” もビデオ雲台と明記してスムーズな動きをうたっています。
とりあえずこのあたりの三脚をひとつ持っていれば様々なシーンで活躍してくれると思います。
マナーを守って子供の記録をきれいに残しましょう
今日の学芸会では、演目と演目の合間になんども学校側から注意がありました。
ビデオ席でも各学年の演技がはじまるとあちらこちらで『ピロピロピロ〜』と録画開始の音が鳴ります。これは気になりましたね。となりでレジ袋から何か出そうとバリバリ音をさせたり、ビデオの操作をするたびにジャンバーの袖がシャカシャカいうのも、他の多くの方々がしずかに撮影しているとなおさら、ちょっとした音が気になるものです。
みなさんもマナーには十分気をつけて、きれいに良い動画を残しましょうね!