さて、今日は 「楽しい音楽の時間」 です。
「バイオリンは3歳から始めないとプロになれない」というような話を聞いたことありませんか?
今回は「楽器と年齢」という事で、プロの演奏家になる為には、その楽器を何歳から習うべきかについて考えてみたいと思います。
以前、当ブログで「こどもの絵の才能」について書きましたが、今回もこの時にご紹介した “気になる記事” から始めたいと思います。
音楽の才能、遺伝で決まる?
才能に関する “気になる記事” が↓こちらです。
「才能は遺伝か?環境か?」という記事で、「音楽の才能は遺伝が9割」と解説されています。
たしかにクラシックのピアノやヴァイオリンっていうと、一般人がいくらがんばっても届かない別世界のイメージがありますよね。
やっぱり努力や根性ではなく「天から与えられし才能」がなければ、音楽の世界では生きて行けないのであれば、私のような一般人にはすっぱり諦めが付くというものです(笑)
この記事ってなんとなく「そうかもなぁ」って思ってしまう部分があるんですよね…。でも本当にそうか?とも…
しかし、本当なんでしょうかね?
逆の言い方をしたら「親に音楽の才能がなければ、子どもはいくら頑張っても無駄ですよ」っていう事ですよね。いやいやいや、それはちょっとどうかと思いますね。
天才か?努力と根性か?
例えば、大人顔負けにヴァイオリンを演奏する小学1年生が現れたとします。そんな子を目の当たりにした時、何を思うか…といえば、
- すごい!この子は天才か?「神童」ってやつか?
- すごく小さい時から習ってるんだろうな、毎日どのくらい練習するんだろう
- 私も習いたかったな〜、うちの子にも習わせたかったなぁ
- ヴァイオリンってお金かかるんだろうな、親は幾ら使ったのかな?
- やっぱり 才能は生まれ持ったモノ なんだよ
うんうん、こんな事考えましたよ。
実を言うとつい先日、私自身が実際にそんな経験をしました。いやぁ素晴らしい演奏でしたよ。
聞くところによると、ご両親とも演奏家で、なんと2歳半から一流の先生に付いてヴァイオリンとピアノを習い始めたそうです。でも両親が音楽家なんですからね、生まれた時から音楽浸けの0歳から音楽始めた状態でしょうね(笑)。
小さな演奏家=お母さんの才能
その子はもちろん、小学生くらいでヴァイオリンやピアノを見事に操るような子ども達には、必ず親(お母さん)が深く関わっています。私はそんな子ども達のお母さんにすごい才能があると考えてしまいます。
カエルの子はカエルとか、親にヴァイオリンの才能があって、子どもにも生まれ持った才能が…っていう、遺伝的な意味ではありませんよ。
あの子達のお母さんには『自分の子どもに楽器をしっかり習わせる事ができる、優れた才能』があるんだなぁと、感心してしまうんですね。
子どもを音楽家にするなら…
すごい子ども達のお母さんが持ってる「自分の子に楽器を習わす才能」って、どんな能力だと思いますか?
子どもに、将来プロを目指すレベルで楽器を習わせるなら、兎にも角にも練習第一でしょう。前にどこかで有名ヴァイオリニストが「小さい頃から毎日4時間、練習してる」と言っていましたが「盛ってる」わけではないようです。
そこで考えてみましょう。仮に子どもが天才だったとしても…
よーし!今日も4時間みっちり、集中力を保って、この曲が美しく弾けるように練習するぞ!
な〜んて(笑)親が何も言わなくても子どもから自発的に練習する…なんて事は 絶対にあり得ません からね。
つまり練習計画を親がしっかり組み立ててあげる事が必要。毎日練習するのは当たり前。1日の内に何時間練習に当てられるか?練習の時にどれだけ集中させられるか?そして演奏に対して子どものモチベーションをどれだけ維持できるか?という計画を親が組むんです。親がね。
そうでもしなければ現実に毎日何時間も練習することなんて出来る訳ありません。
お母さんが覚悟を決めよ!
赤ちゃんの頃から両親が計画的に、こんな練習ができるように育てていけば、毎日数時間の練習にも耐えられる子どもになるんだと思います…
でも普通に考えたら、こんな生活は無理!不可能です。
子どもが幼稚園に通うようになって、帰宅後に遊びにも行かせずヴァイオリン練習を3〜4時間(それ以上かも)させられますか?
小学校から帰ってきた子どもの練習時間を4〜5時間(それ以上かも)どうやって取りますか?
絶対に、ぜーったいに不可能だと思いますよね。
でもね、すごい子ども達のお母さんは本当に、ガチでそういう生活をしているんです。
こんな生活ができるって、お母さんに特殊な才能がなければ出来ないと思いませんか?
となると、やっぱりお母さん自身が幼い頃にそういう経験があるとか、こういう生活をしなければ一流にはなれない、という危機感をもっている楽器経験者でないと出来ないのかもしれません。
もしかして、こういうのも 遺伝9割 に入るのかな?
ただ家での練習は絶対に必要だし、子どもの才能を信じて他の全てを投げ打って子どもと共に練習に没頭すれば、必ず上手になるでしょう。
(でも本当の才能はその後になってみないと分からない…)
何はともあれ、音楽が習える教室を体験してみてはどうでしょうか?「無料体験」でお試しできる教室もあるようですよ。これは利用しない手はないでしょう!!
あまりシビアに考えずに“とりあえず行動”してみるのも才能を開く近道ですよ〜!
楽器別:プロ級を育てる年齢
さてさて、前置きが長くなりましたが本題に入りたいと思います。
「音楽の才能を考える」ということで今回は「楽器と年齢」について話したいと思っています。
それぞれの楽器でプロを目指す「適正年齢」が何歳なんでしょうか。
なんでも早く始めた方がいいんじゃないの?
えー無理、大きい楽器とか持てないし、ピアノは手が届かないし
ここではそれぞれの楽器で、何歳から始められるのか、プロはいつ頃始めてるのかについて見ていきます。
楽器玩具(0歳〜)
まずは「楽器玩具」です(楽器じゃねーし笑)
将来、プロの音楽家を目指す場合、楽器のレッスンを始める前の準備として「音楽的な感覚」を育むことはとても重要になります。
「0歳児に楽器って?」と思われるでしょうが 正しい楽器玩具 は絶対におすすめします。
まあこれは“楽器を習う”という事ではありませんね。でも赤ちゃんに「世の中には音が出る楽器というものがあるんだよ」と感じてもらうために触れさせるべきだと思います。
0歳は音に対する感覚が最も敏感な時期だと言われます。生まれた直後は、耳から入った情報がまるごと脳に伝わっている時期で、ありのままの音楽の情報がすべて脳に届いているんだそうです。
しかし生後1ヶ月、半年、1年〜と成長する過程で「必要な情報」だけを選択的に処理するように脳と感覚機能が変化するとか。
これ、日本人が “L” と “R” の発音が区別できない理由です。日本語を話すのに “L” と “R” の区別は「不必要な情報」なんですね。
ということは、この時期に「音の“高い低い”」「音色の“違い”」「音量の変化やリズム」といった基礎となる音への感覚が「不必要な情報」になってしまった場合 、音楽に必要な感覚が 育成されなくなってしまう事になるかもしれません。
ですから、この時期には赤ちゃんが興味を持って触れられる“音楽性”のある正しいおもちゃを選んで、出来るだけ音楽に必要な感覚が脳からこぼれ落ちないようにしてあげる事がとても重要になります。
さて、最近のおもちゃは「よく出来ている」って思ってませんか?電子音で音が鳴ったりボタン一つで曲が演奏できたり。いかにも“音楽性が高そう”な おもちゃが沢山あります。
でもね、実は慎重に選ばないとトンデモおもちゃがとっても多いので、音楽性を伸ばすどころがかえって悪影響を与えてしまう場合もあるんです。
グランドピアノのおもちゃ。黒鍵の数をよくみてください。めちゃくちゃです(笑)
例えば鍵盤が付いた赤ちゃん向けのピアノおもちゃ。「ド」の鍵盤を押した時に「ド」の音が出るとは限りません。「ミ」とか「ラ」とか、ちょっとズレてるなんてレベルじゃない事もザラで、電源を入れる度に別の音階になるような キーボード もみたことがあるし、白鍵を順に押しても音階にすらなってないような外国製のおもちゃもありました。
そうなんです。正しく調律されていない楽器風のおもちゃがいっっぱい存在していて、気付かずに遊ばせていると「そういうものか」と子どもが理解してしまい修正が効かない事にもなりかねませんね。
というわけで、おすすめの正しい楽器玩具をいくつか紹介しましょう。
カワイのミニピアノ
演奏することが目的ではありません。あくまで「おもちゃ」ですが、これは音楽性に優れたおもちゃです。
カワイのミニピアノの良いところはド=ド、レ=レと「正しく調律された音階が出る」ところです。“絶対音感”に関わる重要な点ですね。
それと、電子音ではないので鍵盤を強く押せば大きな音、そっと押せば小さな音が出るのもいいですね。3つの鍵盤を同時に押せば3つの音、10ヶ所同時に押せば10の音が出るのもいい!。
電子おもちゃは鍵盤の形をしたスイッチですからね。同時に鳴る音の数も決まってるし「買ってはいけない」とは言わないけど…、このミニピアノは本物のピアノが弾けるようになってからも十分楽しめますよ。
シンプルな構造なので首が座れば生後3ヶ月あたりから音が出せるようになるかな?。はじめは鍵盤を叩くだけで「音が出る」と感じて繰り返すだけでも十分に音楽的な刺激になるし、叩く場所が変わると音の高さが変わる!とか、叩き方を変えると強弱がつくとか、触れるたびに発見があるのではないでしょうかね。
カワイのパイプシロフォン
これも正しい音階が出せる優秀なおもちゃです。棒で叩いて音が鳴るなんて楽しいでしょ?。だいたい生後6ヶ月〜になればマレットを握って叩けるようになるのではないでしょうか。
実はカワイのミニピアノの中にも、このシロフォンと同じような「金属パイプ」が入っていて音源になってるんですよ。よっぽどな事(パイプが曲がるほどの力がかかるとか)がない限り調律が変わることはないですね。
ドレミパイプ
ドレミパイプは樹脂製のパイプを決まった長さに切った「楽器」です。パイプを手でにぎって机や床を叩くと「ド」「レ」「ミ」…の音が出せます。音程がついた打楽器?!ですね。
1歳くらいになるとリズムに合わせて太鼓を叩いたり、鈴を鳴らしたり、マラカスやタンバリンを振ったりする事を楽しめるようになってきます。
そこで、このドレミパイプ!面白いですよ。一本一本を叩いて鳴らしてもいいけど、ハンドベルのようにドレミを分担してメロディを奏でたり、ドとミとソを同時に叩いて和音を鳴らすこともできます。
ピアノ(5歳):音楽の基礎も学べます
楽器の王様、ピアノです。
また「ピアニストとまでは言わずとも、音楽の才能を伸ばしたい」のなら、とりあえずピアノを習い始めたらいいのではないでしょうか。
最適年齢 最適齢期:年長さん(5歳)。
ピアノのレッスンは、演奏方法(弾き方)と楽典(楽譜の見方)、そして練習方法を学ぶ事が基本になります。
教室によっては2〜3歳でも始められるようですが、早く始めるに越したことはない…とも言い切れないのは、ピアノの場合 先生と会話が成立しないとレッスンにならないんですね。なので個人差はあるでしょうが3〜4歳だとまだ早すぎ、5歳くらいになれば先生の指示を聞いてレッスンになるかな〜という事でしょう。
でも7歳を超えてしまうと、今度は音楽に対する感覚が鈍ってしまうらしいんです。
ピアノはやさしい?
ピアノで音を出すことは簡単です。鍵盤を押し込むだけで音が出るので猫でも音を出せます(笑)。
他の楽器(ヴァイオリンやフルートなど)の場合、最初のレッスンで「結局1音も音が出せなかった…」なんていう事も十分あり得ますが、ピアノの場合は心配ご無用。音が出せないことはありません。
ピアノが難しいのは音の数が多いこと。同時にいくつも音を出さないといけないし右手と左手で別のことをしなきゃいけないし、楽譜も音符だらけで2段もあるし…(笑)
それと(音楽全般に言えることですが)「奥が深い」のでどこまでいっても終わりがないっていう点ですね。
子どもとピアノ
さて、子どもがピアノを習うには、実は大きな問題があります。子どもの手は大人と比べると、当然かなり小さい訳ですが、レッスンでは『大人と同じピアノ』を使って練習します。
小さな手で大人と同じ楽器を使うので、子どもが大人と同じ曲を演奏しようとしても、絶対に弾けないんですね。体格にもよりますが大体小学校5〜6年生になれば片手で1オクターブ(例:ド〜上のド)を掴めるようになって、やっと大人の曲(の一部)が弾ける感じです。
まあ、逆を返せば 大人の曲を弾かなくても許される と言えます。例えばヴァイオリンの場合は小さな楽器があるので、子どもでも大人の曲を弾く事になりますからね。
そこでピアノには子ども用に作曲された曲や練習曲が沢山あるんです。練習プログラムも年齢(というか手の大きさ?)に合わせた様々な手法が開発されています。
子供の年齢に合わせたレッスンを「無料体験」してみるのはいかがでしょう?
音楽をするにはピアノは避けて通れない?
ピアノってすごい楽器だと思うんですね。歴史上、さまざまな楽器をはじめ「音を奏でる装置」はいろいろ発明されています。その中でもピアノにはものすごく幅広い表現性、しかもたった一人の人間の操作でリアルタイムに演奏できる性能があって、工学的な操作性という視点で捕まえても非常に優れたインターフェイスの機械なんですよ。つまりピアノは、最も効率的な楽器と言えます。
だからかどうかわかりませんが実は、ピアノは音楽の勉強をするのに避けては通れない楽器になってます。その証拠に、音楽大学では弦楽器(ヴァイオリンなど)や管楽器(トランペットなど)、声楽(歌)を専攻していても、副科としてピアノは必修なんだそうです。
まあピアノを習うことは、単にピアノという楽器の弾き方だけでなく、音楽全般の知識や感覚を身に付けることに通じてるんでしょうね。
さまざまな楽器の演奏家に音楽を始めた経歴を伺うと、とりあえず小さい頃にピアノはやっていたんだけど5年生〜中学生の時に「この楽器いいなぁ」と出会った楽器でプロになってしまったというパターンは実に多いんです。ピアノ→別の楽器→プロ の流れは黄金パターンなんですよ。
ヴァイオリン(3〜4歳)
次はヴァイオリンです。
最適年齢 最適齢期:3〜4歳。
バイオリンのレッスンは、主に弾き方と練習方法の指導なります。楽譜の読み方も習いますが、楽器を弾くだけで手一杯で、楽譜まではレッスンでは時間が取れないでしょう。
ヴァイオリンは出来るだけ早く始めた方がいい?
「ヴァイオリンは何歳から始めたらいいの?」と聞かれたら、私は「今すぐ始めましょう!」と答えます(笑)。
ヴァイオリンはむずかしい楽器です。これだけメジャーで一般的にもよく知られている楽器なのに、とにかく弾くのが難しい。
本格的にヴァイオリンを始めるつもりなら、やっぱり小学生になる前にちゃんとレッスンを受け始めた方がいいでしょうね。
ピアノの場合は先生との会話が成立しないとレッスンにならないと書きましたが、ヴァイオリンの場合、まず音を出すだけの訓練がしばらく続きます。コミュニケーション以前の課題が多いので早めに始めた方がいいんですね。
ヴァイオリンは特殊な楽器
ヴァイオリンは非常に特殊な楽器です。こんなに幼い時期から始めなければならない楽器なんて他に無いんじゃないでしょうか。
ヴァイオリン以外のプロの演奏家では、小さい頃にピアノをやっていて、小学高学年〜中学生頃にやってみたい楽器に出会ってプロになるパターンが多く、そこには本人の意思が存在しますよね。
しかし残念ながらヴァイオリンに限っては、このパターンは通用しません。それでは遅すぎるんですね。場合によっては子ども自身は望んでもいないのに気がついたらヴァイオリンを習っていた…なんていうパターンが起こり得ます。
こういった意味でもヴァイオリンの難しさを感じますね。
子ども用の小さなヴァイオリン!
ヴァイオリンの技術を習得するには時間と努力が必要(お母さんもね)です。
ヴァイオリンには子ども用の小さい楽器があります。なので、たとえ2歳児でも大人と同じ曲を演奏する事が(物理的には)可能です。
ピアノは物理的に大人の曲を子どもが弾くことはできませんが、ヴァイオリンはこれができちゃいます。これっていい事?に思うかもしれませんが、逆に大変な事なのかもしれませんね。
7歳だともう遅い?
プロのヴァイオリニストを目指すなら、3〜4歳からレッスンを受けた方がいいと言われます。そして、7歳を過ぎると…プロにはなれないとも言われますね。
冒頭に書きましたが、幼い子どもにヴァイオリンを習わせるのは大変です。まだ小学校にも行っていない子どもが自主的に練習をする筈もないので、親(お母さん)が付きっ切りで毎日の練習をすることになります。それも1日30分とかじゃないですよ。少なくとも1時間以上、3〜4時間なんていう話もよく聞きます。
もし幼稚園児のうちから親が付きっ切りで毎日1時間以上の練習していたら、小学生になっても毎日練習する習慣はできているでしょう。
でもそんな練習を、小学生になってから始めようとすると…子どもも親も、ちょっと大変かもしれませんよね。よほど気合いを入れて取り組まないと長続きしませんよ。
教室選びも難しいですね。大手の音楽教室、個人がやってる音楽教室、音楽大学の付属の教室etc…
通い始めたら、長いお付き合いになりますし、才能うんぬん以前に先生と合うか?合わないか?なんていう事が大きく将来に関わってくる事もあるようです。
教室によっては見学会や無料体験を実施している教室も沢山あります。今はいろいろ見比べて選べるようになっているので、試しにいくつか見てみるのも良いと思います。
ネイティブスピーカーと同じ原理?
それともう一つ。音楽的な感覚が7歳ごろを境に固まってしまうらしいのです。
言語の分野の話で、7歳までに使っていた言語はネイティブになるけど、それ以降に習った言語は決してネイティブにはなれない…って聞いたことありませんか?
音楽に関しても同じような事があるように思います。
特に「絶対音感」は幼少の頃に正しい音楽的な教育を受けていないと身につかない感覚だと言われますよね。
ヴァイオリンを幼い頃から習っていた人は、ほとんど絶対音感を持っているらしいです。ヴァイオリンの演奏に絶対音感が必要条件だとは思いませんが、ヴァイオリンをちゃんと演奏する為の“何か”が絶対音感と同じ仕組みでしか身につけられないとしたら、6歳限界説もあり得る話だと思ってしまいますね。
チェロ(6〜12歳)
同じ弦楽器でもチェロはヴァイオリンほど早期教育が絶対条件では無いようです。(ただしピアノやソルフェージュといった音楽的な早期教育を受けている事が前提です)
最適年齢 最適齢期:6〜12歳
チェロの場合、小さい頃にピアノを習ってて5年生〜中学生頃になってからチェロを始めて、プロになる人も居るようです。ヴァイオリンとはだいぶ違います。
チェロとヴァイオリンのおおきな違いは、楽器を構える姿勢にあります。
ヴァイオリンは弓を引く右手も、楽器を支え弦を押さえる左手も幼児期に身につけないと正しい持ち方すらできない“不自然”な姿勢を強いられますが、チェロの場合は特に左手の弦を押さえる姿勢は“自然”で取りやすい姿勢になっています。
要因はこれだけではないのでしょうが、基礎的な音楽教育を受けていれば高学年から始めてもプロへの道は残されているようですね。
トランペット(8〜12歳)
金管楽器の花形、トランペットです。
最適年齢 最適齢期:9〜12歳 ※幼少期の音楽教育あり
トランペットのレッスンは、個人レッスンが主ですが、ブラスバンドの講師の方や先輩から教わって始める事も多いでしょうね。
金管楽器は小学4年生から
トランペットをはじめとした金管楽器(トロンボーン、ホルン、ユーフォニウムなど)は、マウスピースを唇に押し当てて演奏します。
そのため、前歯の永久歯が生えそろってから始めた方がいいようです。
永久歯にならないとダメです
トランペットはサイズも小さく、小学1年生でも吹くことはできますが、前歯が抜けると生え揃うまでは吹く事ができないし、あまり早くはじめてもアドバンテージは少ないので、小学低学年、中学年まではピアノを習った方が音楽的な才能にはプラスになるでしょう。
中学のブラバン出身のプロも多数
トランペットは、ヴァイオリンやピアノに比べるとかなり演奏しやすい楽器です。プロのトランペッターにも中学からトランペットを始めたという人は少なくないようです。
中学のブラスバンドでトランペットを始めて高校まで6年間、同じようにほぼ毎日練習していても、小さい頃にピアノや音楽教室で音楽を習ったかどうかで大きな差が生まれます。トランペットだけで突然才能が開花するわけではないんですね。
ちなみに、もし音楽大学を目指すのなら部活レベルではかなり厳しいので、高校生になったら(もちろんそれ以前でも)プロの先生に付いて個人レッスンを受けましょう。
トロンボーン(10〜12歳)
トロンボーンは“スライド”と呼ばれる管の長さを調節するパーツがあって、腕の長さが必要です。子ども用の楽器も無いので年齢的な制約があります。
受験を考えると楽器を始める時期よりも、小学生時代にピアノ等をやって、音感や楽典を習う事が重要かもしれませんね。
フルート(6〜12歳)
木管楽器のマドンナ、フルートです。
最適年齢 最適齢期:6〜12歳 ※幼少期の音楽教育あり
フルートという楽器、実はあまり小さな子どもには腕の長さの関係でちゃんと持つ事ができません。
そこで6歳くらいの子どもでも持つ事ができるように、頭部管をU字型に曲げたパーツ(後から直管に交換可能)にしたり、手が小さくて届かないキーを外したり、パーツを追加して指が届くようにして対応します。
やはり金管楽器同様、あまり小さなうちから始めるアドバンテージは少ないので、小学生のうちはピアノでトータルの音楽性を伸ばしながら本格的なレッスンは中学生からでも遅くはないでしょう。
サックス(9〜12歳)
木管楽器スター、サックスです。
最適年齢 最適齢期:9〜12歳 ※幼少期の音楽教育あり
サックス(サクソフォーン)は、ブラスバンドで使われる楽器の中ではかなり歴史の新しい(たしか19世紀に発明された)楽器だったと思います。そういう背景もあって、コントロールしやすく演奏しやすい楽器です。
レッスンが始められる年齢は、演奏時にマウスピースをくわえて唇と歯で支えるため、トランペット同様、永久歯が整うまでは控えた方がよいとのこと。
知り合いのサックス奏者の方曰く、サックスはクラシックの現場での仕事が少なくレコーディングやジャズ、ポップス系ができないと厳しいとか。「もっとピアノをちゃんとやっとけばよかった」とも言ってました(笑)。
その他の楽器
声楽(中学生)
声楽家をめざして音大に進む場合、中学生〜高1ごろに決心して、行きたい大学の先生や大学出身の声楽家の先生に師事してレッスンを受けるケースが多いようです。
特に男性の場合は声変わりが済まないと適正がわからないので、他の楽器にくらべるとかなり遅いスタートとなるようです。とはいえ、中学(小学校)で合唱を経験していたり、小さい頃にピアノやヴァイオリンなどの他の楽器を習っていることが多いようですね。
クラシックギター(10〜12歳)
クラシックギターは、ヴァイオリンほどではないにしても小さな楽器が存在していて、レッスンを受けられる年齢は小学生低学年〜(教室によってはもっと小さい頃)から可能らしいです。
ただ一般的には小学校高学年〜中学生くらいから始めるケースが多く、他の楽器同様、小学時代にピアノ経験があると音感や譜読みに有利なようですね。
ドラムセット
テレビや動画サイトで「天才キッズドラマー」などを時折見かけますが、ドラムセットに音感はあまり関係がない反面、リズム感や運動神経が問われます。なので「音楽の才能」を伸ばすという意味ではあまり小さい頃から専門的に習ってしまうと、かえってよくない場合もあるようですね。
逆に、幼少期に専門的な音楽教育を受けていなくても中高生になって体が出来上がった段階で、持ち前のリズム感と運動神経でプロへの道を歩むケースも多いらしいです。
まとめ
ヴァイオリンは特別小さい頃からの訓練が必要です。楽器と年齢というテーマで言うと完全に別物扱いしないとダメですね。
ピアノもヴァイオリンに通じる部分があって、ピアニストを目指すなら幼少期からの訓練が必要な楽器です。
ただしピアノの場合、高学年になって他の楽器を始める場合のステップとして、7歳になる前に「とりあえずピアノ」をやっておく事で、将来に繋がる音楽的才能を伸ばすことになるようですね。
体格や歯の問題など、フィジカルでレッスン可能な時期が前後しますが、ヴァイオリンとピアノ以外の楽器はだいたい中学生〜でも音大受験には間に合うようです。
さて「楽器と年齢」いかがでしたでしょうか?
かく言う私も、6歳でピアノをはじめて5年生でトランペット、6年生からトロンボーンをはじめました。トロンボーンは何度か個人レッスンも受けたくらい、中学高校と割と真面目にやったんですが、残念ながら「プロ並み」には行き着けませんでしたね。
でも、いまだに楽器を演奏することは大好きで、ギター、ドラム、アコーディオン、シンセサイザー、カホンにチェロ…とまあ、下手の横好きでいろいろな楽器を趣味として楽しんでいます。
自分から「ピアノやりたい」と言った覚えもなく、6歳からずるずるとろくに練習もせずにレッスンに通い、小学校卒業と同時に自然消滅するかたちで辞めてしまったピアノですが、今にして思えば「やっててよかった」と思うし、ピアノを習わせてくれた両親には感謝しております。
というわけで、今回は以上です。
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